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設備管理の仕事を検討している人に向けて、ここではマンションの設備管理について解説します。マンションの設備管理の仕事内容をはじめ、必要な資格、給料、向いている人などをまとめているため、どの現場で働くか迷っている人は参考にしてください。
マンションの設備管理は、入居者に代わって物件の管理に関わるさまざまな業務を行なう役割を担っています。設備管理員が担当する仕事は幅広く、主に「建物点検・検査」「エレベーター設備」「給水設備」「浄化槽・排水設備」「消防用設備」「機械式駐車場設備」「定期点検・巡回点検」「コスト削減・修繕計画」の8つです。それぞれの業務について詳しく解説します。
マンション全体をはじめ、エレベーターや防災設備、電気設備などの法定点検・保守点検を実施します。法定点検は建築基準法等で定められている点検のことで、必ず行わなければいけません。保守点検は、清掃・校正・消耗部品の交換も含みます。マンションの設備管理における校正とは、計器類の狂いや精度を標準器に合わせて正しくなるように調整する作業を指します。また、マンションに設置されている消火器などは使用期限が決まっているので、期限前に交換するのも設備管理の仕事です。
エレベーターが設置されているマンションの場合は、エレベーターが正しく作動しているか、異常が起きていないかを確認する必要があります。しっかりと点検が行なわれていないと大きな事故につながる可能性があり、人命にかかわるため、責任の大きい重要な仕事です。エレベーターの点検は、多くの場合専門業者に委託しますが、点検結果を精査して適正に対策をとることが求められます。
給水設備とは、マンションの各部屋へ水を送る設備です。入居者のライフラインに関わるため、定められた周期で水質の検査や受水槽の清掃を実施するほか、異音・振動・過熱の有無、ポンプや警報装置の自動制御盤の作動・状態の点検などを行なう必要があります。
浄化槽や排水設備は使用した水や不要な雨水などを排出する設備です。排水設備が整っていないとマンションの衛生面に問題が生じるほか、悪臭の原因にもなるので、定期的に浄化槽や排水設備の清掃、ポンプ点検などを行ないます。
万が一の火事の際、消火器やスプリンクラーなど消防用設備が正常に作動するように定期的な点検や管理を行なう必要があります。また、消防法に基づき、自動火災報知機や避難設備・誘導設備などに異常がないかの確認、巡回時の点検や法定点検も実施します。
とりわけ、地下に設置された機械式駐車場の消火設備点検は特に注意が必要になります。
機械式の駐車場が設置されているマンションであれば、正常に作動しているかどうかのメンテナンスが必要です。メンテナンスでは、駆動部などの機器の検査のほかに、駐車場壁面にひび割れが起きていないか、段差や陥没、ぐらつきなどがないかの確認も行ないます。
駆動部などの機器の検査は、専門業者に委託する場合もあります。
マンション内にある機械や設備はすべて1年に1回、または半年に1回の定期点検が必要です。定期点検では巡回点検で確認しない項目をチェックしたり、細部まで異常がないかを確認したりすることで、入居者が安心して住める環境を整えます。巡回点検では主に異常の有無や普段と違うところがないかを巡回しながら確認し、異常があれば大きなトラブルにつながる前に修理を行ないます。
マンションの管理業務には、点検や設備管理だけでなく、修繕計画やコスト削減のための提案も含まれます。特に分譲マンションの修繕費は、管理組合が積み立てた修繕積立金を原資にするため、高額な費用を要する大規模修繕は、入念な修繕計画のもとに修繕積立金の範囲内で行う必要があります。また、無駄な管理コストがあれば削減を管理組合に提案する、あるいは修繕計画を実行するために必要な修繕積立金を算出するのも設備管理者の役割です。
マンションの設備管理に関係する資格には次のものがあります。
未経験者でも応募できる求人はありますが、有資格者を待遇する管理会社が多いため、マンションの設備管理の仕事に転職するなら資格を持っている方が有利でしょう。特に大規模マンションの電気設備のうち、自家用電気工作物を設置している場合は、工事や管理には電気主任技術者の資格が必要になります。
また、管理会社には管理組合数30組合につき1人の管理業務主任者を選任する義務があるほか、マンションの設備管理・衛生管理・メンテナンスにはビル設備管理技能士の資格が必要です。そのため、これらの資格を持っている人はマンションの管理業界においてニーズが高く、転職を有利に進めることができます。
マンションの設備管理の求人を調査したところ、正社員の平均月給は23万円でした。ただし、勤務地や仕事内容、資格や経験の有無などによって給料は異なるため、有資格者や経験豊富な人であれば高待遇での転職を期待できます。
資格取得支援制度を設けている求人であれば、資格を持っていなくても頑張りによって昇給を目指せるため、平均以上の給料を希望するなら資格取得支援制度が充実しているかどうかをチェックしておきましょう。また、有資格者も自分の持っている資格に対して手当が支給されるかどうかは、確認しておきたいポイントです。
定期的に点検を行なっていたとしても設備が突然トラブルを起こす可能性があります。マンションは住宅であるがゆえに、通常の生活がおくれなくなることに対して居住者は敏感に反応することが多いため、さまざまなトラブルのケースに対して臨機応変に対応できなければなりません。臨機応変に対応するには、設備管理の知識や経験も求められますが、様々な居住者の反応に対して、納得を得る対応を行うことも重要になります。未経験からスタートした場合はすぐに臨機応変に対応するのは難しいですが、先輩社員や日々の業務から学ぶ姿勢を持った向上心のある人に適しています。
マンションの快適な環境を保つためには、巡回点検や定期点検など地道な作業が必要です。点検がしっかり行なわれていないと設備の故障や不具合により事故にもつながりかねないため、自分の仕事の1つひとつが入居者の安心や安全につながっていると思える責任の強さが求められます。
マンションは小さな子供からお年寄り、受験生や病気を抱えた人など様々な居住者が生活しています。小さな見落としが大きなトラブルにつながる可能性があるため、細かいところによく気がつく視野の広さは設備管理においても重要なスキルです。巡回点検や定期点検においてはもちろん、清掃においても小さな汚れなどにすぐ気がつけば、入居者にとって快適な環境を提供できます。
株式会社ザイマックス
東京都港区虎ノ門2丁目10番1号
〇設立(沿革)
*会社の経営陣が、外部機関等からの金融支援を受けるなどにより、自ら自社の株式や一事業部門を買収し、会社から独立する手法。
〇事業展開
設備管理を含む不動産マネジメントを基盤事業に据え、現在全国で約1000棟 の管理実績を持ち、近年も事業規模を拡大し成長し続けています。
マネジメントの対象となる不動産は、オフィスビル、商業施設、ホテル、物流施設など多岐にわたっています。
また、「不動産」と「金融」の融合を掲げて、不動産以外の分野のノウハウや経験を取り入れることで、投資家や企業に対して質の高い不動産戦略を提供しております。
このように、現場から経営代行・資産運用までの不動産経営の様々な要件を一元管理し、総合的な不動産サービスをワンストップで提供できる企業グループです。
〇業務体制
若手からベテランまで年齢不問で採用。また未経験でも業務にキャッチアップするため技能研修センターを設けるなど充実した教育体制を配備。加えて、本社から各現場へサポートも整備しており、長く働いてもらうために労働環境の整備にも力を入れています。
資格取得も奨励しており設備管理のスペシャリストが多数在籍。経験者と未経験者が一緒に仕事に取り組むことで、ベテランから若手に業務ノウハウを引き継ぎ、将来に向けた戦略的な経営を行っています。
〇広域かつ多種多様な管理物件
全国の様々な物件の設備管理を受託しており、各エリアに一定数の受託物件があるため、居住地などを考慮した配属も実現できます。また社員が様々な物件の設備管理に携われることで仕事の幅も広がり、さまざまな知識や技術、経験を身につけることができ、キャリアアップにもつながります。
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