電験取得者が設備管理者を
目指すメリットはある？

電験は正式名称を「電気主任技術者試験」といい、第三種から第一種まで分類されている国家資格で、オフィスビル、商業施設などの不動産、発電所や変電所、工場などの電気設備の保守や監督を行うことができる資格です。
建物の電気設備は正確な方法で運用しなければ、その建物を原因として周辺の地域を停電させてしまうリスクがあります。そこで、電気主任技術者の資格取得者により、電気設備を運用できるように法律で定められています。

第三種電気主任技術者は5万ボルト未満の電気工作物の工事、維持、及び運用の保安の監督を行います。
5万ボルト以上の電圧を取り扱う大型発電所や工場では、第二種電気主任技術者の資格が必要です。第二種電気主任技術者は17万ボルト未満の電気工作物を取り扱います。
そして、すべての電気工作物が対象となるのが第一種電気主任技術者です。

電気主任技術者についてさらに詳しくはこちらのページをご覧ください。

ここからは電験二種を取得した人の転職を考えた、または実際に転職した理由を見ていきます。

緊急の呼び出しによって作業が発生することは少ないものの、取り扱っている設備によっては「規模が大きいもの」「時間をかけて点検を行う必要があるもの」などがあります。そういった設備・現場では拘束時間が長くなるため、「プライベート時間の確保が難しい」といった理由が挙げられています。

勤務先は都市部のようなアクセス面で不便のない場所だけではありません。都市部から離れた現場、僻地で対応する必要もあります。担当している現場が山奥にある場合、移動自体の大変さや、移動時間の長さ、また、そうした場所への転勤の必要性などが転職を考える要因となっています。

希望する給与や昇給に繋がっていないことも理由に含まれます。キャリアアップを考慮して転職を考えることも多いようです。

設備管理業界として電験所有者が少ないこともあり、有資格者を求めた好条件の求人情報も多く見ることができます。

上記のメリットについて、ザイマックスグループでの実例をもとに詳しく紹介していきます。

勤務地は、自宅の場所を考慮され、通勤しやすい施設に配属されることが多いです。選任現場で監督業務を行う場合は、同じ現場で働くこととなり、転勤も少なくなります。「自宅から通勤しやすい場所で安定して仕事を続けたい」という方にメリットとなります。

電験三種を取得していると、資格手当が支給される会社も多くあります。合格率が低い電験は有資格者が貴重であるため、給与面でメリットを受けることができます。
ザイマックスグループでも資格手当や資格取得に対する報奨金制度があります。

資格取得が求められる保安協会などは実務経験が必要です。しかし、設備管理者の場合、実地経験が少ない、または未経験であったとしても業務を行うことができます。
また、特別高圧設備を配置している現場において、電気主任技術者の常駐が法律で定められているため、資格所有者に対する需要は一定以上あると言えます。しかし、資格取得の難易度の高さもあり、需要と資格所有者のバランスが取れているわけでありません。そのため、実地経験が少ない、または未経験であったとしても、資格所有者に対する需要が高く、転職先としての選択肢が多くなっているのです。

工場やビル、商業施設などさまざまな施設において、電気設備は私たちにとって欠かせないインフラとして利用され続けています。建物や電気設備がある限り、電気主任技術者が求められる現場はなくなることはなく、むしろ広がっていくため、将来性がある仕事と言うことができます。

設備管理の仕事の将来性については、下記の記事で詳しく解説しています。